MMS (Master of Management Studies) in Systemic Risk

MMS in Systemic Riskとは、2017年に新しくYale SOMに設置された一年制の少人数プログラムです(MBAとは別の修士課程)。

既に経済学・統計学・ファイナンス等の学位を持つ中央銀行・金融規制当局の職員が対象で、金融政策、金融規制、マクロプルーデンス政策、金融危機対応などのFinancial Stabilityに関連する内容に特化したプログラムです。

初年度となるClass 2018には6名、Class 2019には10名の学生が参加しており、今後緩やかに規模を拡大予定です(2018年5月現在)。 本プログラムの責任者の一人であるMetrick教授曰く、「MMSは、卒業生が卒業後すぐにIMFやBISでも活躍できるようになるプログラムを目指している。」「世界中の中央銀行職員のネットワーク拠点をYale SOMに築きたい」とのこと。

 

また、MMS向けに開講されている金融市場に関連する幅広い講義はMBA生も履修可能で、ガイトナー元財務長官とSOMのMetrick教授が教える、”The Global Financial Crisis”等はMBAでも人気の授業となっています。MMS向けの講義の存在により、SOMでは金融市場に関する幅広いコースが提供されています。

 

2019 – 2020年時点での必修科目(※)は以下の7科目で、さらに秋・春それぞれ1-2単位を選択科目としてYale SOM・またはYale大学の他学部の好きな授業から履修できます。カリキュラムの詳細に関する最新情報はこちらの公式HPを参照ください。また、各授業の内容についてはYale SOMの授業情報ページから確認できます("elective"という項目)。

 

・Systemic-Risk Colloquium (4 credits, Year Long) (English and Metrick)

・Macroprudential Policy I(4 credits, Fall) (Benediktsdottir

・The Global Financial Crisis (4 credits, Fall) (Metrick and Geithner)

・Central Banking (4 credits, Fall) (English

 

・Financial Stability Regulation (4 credits, Spring) (McNamara and Rhee

・Monetary Policy (4 credits, Spring) (English

・Macroprudential Policy II(4 credits, Spring) (Benediktsdottir

・Crisis Communication(2 credits, Spring) (Wiggins) 

 

※プログラムが始まって日が浅いため、必修科目の構成は今後少しずつ変わる可能性があります。

 

Yale  SOMは金融危機関連のプログラムに非常に力を入れており、金融システムの安定性に関するカンファレンスを毎年開催したり、各国中央銀行職員(総裁を含む)をSOMに招いたり、ブルッキングス研究所と協力して過去の金融危機に対する対応のケーススタディを整理したりと、様々な取り組みが行われています。2017年には、中銀・規制当局向けの金融危機対応支援ツールの開発を目的としてジェフベゾス、ブルームバーグ財団、ビルゲイツ等から1,000万ドルの寄付も集めており、2019年現在"New Bagehot Project"として開発が進められています。金融政策・金融規制・金融危機対応の領域に特化してこれだけの取り組みをしている学校はあまりありません。 これらの取り組みについては、Yale Program on Financial Stabilityのページを参照ください。 2018-19年のAcademic Yearにはバーナンキ元FRB議長、イエレン前FRB議長、キング前BOE総裁、タッカー前BOE副総裁などが来訪して講演を行いました。

FAQ

質問の多いトピックについて、2019年春時点の情報を元に回答しています。最新の情報については、公式Webサイトや大学への問い合わせを通じて確認してください。

 

1. MMSの講義はMBA生でも履修可能?

可能です。特にGlobal Financial CrisisやMonetary Policy、Capital MarketはMBA生の履修者も多いです。授業はすべてSOMのメイン校舎にて開講されています。なお、Colloquiumのみ、MMSの学生限定となっています。

 

2. MMSに所属する学生の出身国のバランスは?

少人数カリキュラムなので構成は毎年変わりますが、様々な国の学生が参加しています。

Class 2018は6名で、米国(1)、メキシコ(2)、ドミニカ共和国(1)、インドネシア(1)、トルコ(1)。

Class 2019は10名で、米国(3)、ジャマイカ(1)、メキシコ(1)、中国(1)、日本(1)、インドネシア(1)、インド(1)、トルコ(1)でした。

 

3. MBAとのJoint Degreeは可能?

可能です。両方のプログラムについてそれぞれ合格する必要がありますが、1年目にMBAの必修科目を終わらせ、2年目にMMSのカリキュラムを履修することで、2年間で両方の学位を取得することができます。Class 2019では10名中3名が元々MBAとして入学していた学生で、Joint Degreeの取得を目指しています。

 

4. 学生のバックグラウンドは?

MBAとのJoint Degreeの学生を除き、大半の学生が自国の中央銀行から派遣されています。入学前の職務経歴は数年~10年程度と人によって幅があります。金融規制の実務に関わっていた経験のある学生が多いです。

 

5. 就職活動のサポートはある?

ありません(2019年4月時点)。原則として自国の中央銀行・規制当局から派遣された学生を対象としており、元々所属していた機関へ戻ることを前提としているため、MMSの学生がMBA向けの就職支援を受けることはできません(MBAとのJoint Degreeの場合を除く)。カリキュラムも就職活動を行わない前提で設計されているため、就職活動との両立は不可能ではないものの難しいです。

 

6. MMSプログラムの利点は?

2008年金融危機や金融規制、金融政策などのシステミックリスク・中央銀行関連政策に特化しており、関連分野での知識を短期間で深めることができます。また、選択科目についてはLawやEconomics、Data Scienceなど、他学部の講義の履修も可能です。少人数プログラムのため教授との距離も近く、学生もある程度共通のバックグラウンドを有しているため、1年を通じて授業内外で多くのディスカッションの機会もあります。さらに、MMSの授業やSOMのイベントでは金融システムに関連する様々なゲストスピーカーが訪問しますが、多くの場合MMSの学生限定のコーヒーチャットやディスカッションの機会が設けられ、専門家に自由に質問を行う機会があります。

 

7. プログラムについてもっと知りたいが、どうすればよいか?

SOM公式WebサイトからSOMの担当者に問い合わせをお願いします。少人数カリキュラムかつ設置から日が浅いので、大学側も比較的柔軟に質問対応や現役学生紹介を行っています。特にカリキュラムの内容については毎年変わっていくと思われるので、公式サイトや大学側への問い合わせを通じて最新状況を把握されることをおすすめします。また、MMSプログラムを主導しているMetrick教授は、このpodcastにてプログラムの狙いを説明しています。実際の授業についても、Global FInancial CrisisのコースについてはCourseraで動画が公開されています。

システミックリスク管理修士 

イェール