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International Experience (IE) について

Spring Breakにおける目玉プログラムの一つ、International Experience (IE)についてご紹介します。

 

IEはYale SOMが定めるGlobal Studies Requirementの一部で (https://som.yale.edu/programs/mba/integrated-curriculum/global-study)、約10日間かけて現地を訪問し、主要企業や政府関係者との面談を通じて国際感覚を養うことが目的に掲げられています。今年度は、London/Madrid/Barcelona, Amsterdam/Frankfurt, Kenya, Norway, Israel, Bhutan, Costa Rica, South Korea, Uruguayの全9コースが開講されました。

 

筆者が今年訪れたのはウルグアイです。選択理由は色々とあったのですが、先進国に近づきつつある途上国(一人当たりGDPや成人識字率がラテンアメリカで最大であり、政治面でも民主主義・法の支配の強固さがトップクラス)におけるビジネスの勢い、雰囲気を肌で実感したいという思いがありました。

 

渡航前は、現地での学びを最大化すべく、全4回にわたる座学で基礎知識を学ぶとともに、グループごとに設定したテーマについてリサーチし、プレゼンテーションを行いました(私は第一次産業について担当)。加えて、ウルグアイのBeatriz Argimón副大統領を招聘して国家政策や経済について直接ディスカッションを行う機会も設けられ、Yaleのスケールの大きさを実感しました。

 

現地では合計約20の企業や機関を訪問したほか、産業大臣との対談の機会や、Universidad de Montevideoなど全4校の現地ビジネススクールの学生と交流する機会にも恵まれました。

 

FounderやExecutiveとのセッションでは、多くのユニークな生きた事例を学ぶことができました。例えば、GlobantというIT企業では、意思決定の迅速化のためInverseな組織構造を採用しており、各担当者の裁量が非常に大きいことで知られています。それに伴う失敗経験について尋ねたところ、「そんなもの(失敗)は毎日発生している。しかし、それを組織として受け入れて前に進むことでとてつもないスピードで成長できる」と語っていました。どの程度の失敗を許容できるかは様々な外部要因にも左右されるとは思いますが、こうしたリスクを取ることに対するトップの覚悟や忍耐力を強く実感しました。また、誰かが述べた意見や質問を受けてさらに複数の手が上がり、企業のFounderも巻き込んでその場で授業さながらのミニディスカッションが始まったことも度々あり、さすがビジネススクールのトリップだなと感心したところです。

 

加えて、Learning Gapの改善を目的に低所得者が多く居住する地域に初めて建てられた私立学校Liceo Impulsoに訪問した経験は忘れられません。高学年の生徒のハングリーさに加え、スペイン語をほぼ全く理解できない自分に対して積極的にコミュニケーションを取ろうとする低学年の子どもたちの姿に心を打たれました。授業を受ける姿勢も大変前向きで、教師の熱量も相まり確かなエネルギーを感じました。体育の時間には一緒にサッカーを楽しみましたが、さすがFIFAランキング16位のウルグアイ、子どもたちもレベルが高かったように思います。

 

その他、World’s Best Vineyardsでも上位入賞を続けているBodega GarzónというVineyardを訪問し、サステイナブルなワイン製造を学びつつ試飲を楽しんだり、

 

 

サッカー観戦に行って引率教授(ウルグアイ出身)の推しチームを皆で応援したり、

 

 

美味しいステーキを毎日のように食べたり(ウルグアイは1人あたりの牛肉の年間消費量が約60kgで世界一。驚異の週1kg以上ペース。しかしさすがに胃疲れを起こすクラスメイトが続出していました。。)

 

 

夕暮れのビーチやキャンプファイヤーを眺めながら深夜まで語り合ったりと、まさにStudy Hard, Play Hardを体現するような旅となりました。

 

 

リスクを恐れずに目標に向かって熱意を持って突き進んでいる人や企業に直接触れられたこと、そしてクラスメイトと多くの時間を一緒に過ごしてとても仲良くなったことなど、間違いなくMBA留学のハイライトの一つとなりました。最終日の夜はみんな解散するのが寂しく、深夜まで飲んだ後にホテルのロビーでしばらくハグを交わし合っていたほどです。個人的にも、初の途上国訪問で価値観の変化も実感し、思い切ってこのプログラムに参加して本当に良かったと思っています。この旅で受けた刺激を胸に、残り1年間をさらに充実させていく所存です。