授業のほかに、Yale SOMでの生活に欠かせないのがクラブです。就職活動のサポートや業界研究、カンファレンスの開催等を中心とするProfessional Clubのほか、Japan Club等の地域別クラブ、Soccer ClubやFood & Wine Clubといった趣味の集まりまで、多くのクラブが精力的に活動しています。
以下では過去の日本人SOMersが所属していたクラブの一部をご紹介します。
なお、現在のクラブ一覧については公式HPをご覧ください。
Japan Clubでは、Yale SOMにとどまらず、広くイェール大学全体の日本文化への理解向上を目指し、様々なイベントを行っています。具体的には、茶道や餅つき、花見といった文化的なイベントや、在米の日系企業担当者による講演会といったビジネス要素を含んだイベントなどです。
また、International Food Festivalと呼ばれる世界の食文化を紹介するYale SOM主催のイベントでたこ焼き作りを実演したり、Closing Bellと呼ばれる週の終わりに開催されるパーティーで他クラブと合同イベントを開催するなど、多方面で日本文化の普及活動に励んでいます。運営は日本人学生だけでなく、日本に関心のある外国人学生も主体的に関わっています。こうした多様な環境の中で、より効果的で影響力のあるイベント実現に向け日々活動しています。
Social Impact Consulting Club はビジネスと社会双方のリーダーを育成するというYale SOMのミッションを追究することを目指し、ニューヘイブン地域のNPOに対する経営コンサルティングを提供しています。
■プレジェクトの例
学生コンサルタントは、戦略策定、マーケティング・PR、財務分析やプロジェクトマネジメントなど様々なビジネス上の課題に取組みます。ニューヘイブン近辺には、様々なNPOが存在することから、過去のプロジェクトは多岐に亘ります。例えば、難民サービスを提供する組織のフィージビリティ調査、教育系NPOのソーシャルメディアマーケティングプランの策定、ヘルスクリニックの財務分析などがあります。
■タイムラインと概要
1. クラブへのアプリケーションの提出(Fall 1)
アプリケーションでは志望動機とマーケティングや財務会計などのビジネスキルのレベルについて聞かれます。アプリケーションを元にクラブリーダー達が選考し、参加の可否が決まります。
2. クライアントによるプレゼンテーション(Fall 1)
ニューヘイブン界隈の地域に存在するNPO団体がSOMに来て、団体概要とニーズについてプレゼンをします。コンサルタントに必要とするスキルや経験についても言及され、ここで、関心のある組織や支援できそうな組織を見つけます。
3. 希望するプロジェクトへの申請とプロジェクトアサイン(Fall 1・2)
クライアントプレゼンテーション後に、プロジェクトの志望順位を申告しレジュメを提出します。基本的に志望順位に沿って決められることになっていますが、人気のあるプロジェクトの場合、レジュメに記載のスキルセット・経験が重視されるようです。
4. On-going研修(Fall 2 ~Spring 2)
主に昼の時間を利用して、プロジェクトの進行方法やクライアントマネジメント、チームマネジメントなど、プロジェクトを成功させるために必要な知識について講義を受けます。
5. プロジェクトキックオフ(Fall2~Spring 1)
クラブリーダー達からはFall 2の間にクライアントの顔合わせを済ませ、アイスブレイキングやニーズの深掘りなどの機会とします。その後、MOUを2者間で結び、Spring 1からMOUのスケジュールに沿ってMTGを設定し、互いにフィードバックを提供していきます。
6. ファイナルプロダクトの提出(Spring 2)
ONCは、Spring 2の終わりまでにプロジェクトを完了するようスケジュールを設定しています。財務モデルや新会計システム、事業計画書など、プロジェクトにより成果物は大きく異なります。各チームは、クライアントNPOにファイナルプロダクトを提出するだけでなく、他チームにもプレゼンを通じて共有します。
■体験談
4人のチームで教育系NPOをコンサルティングしています。クライアントの求めるアウトプットは事業計画書で、資金調達のために活用する非常に重要なプロジェクトを担当しています。様々なバックグラウンド持つチームメンバーと実際のプロジェクトができるのは、授業内のチーム学習以上に真剣で、大変ワクワクするものです。
SOMのサッカークラブには毎年100人程度が所属し、「初心者でも楽しく参加できる」というモットーの下、定期練習やイベント等を精力的に開催しています。また、Yale大学内の他学部や他大学のビジネススクールとのリーグ戦などの試合・大会にも参加しており、2016年にはYale Cup(アメリカのビジネススクール間の大会)で優勝するなど、スモールスクールながら実績も兼ね備えていると言えます。2024年にはHarvard tournamentも優勝しました!
学内リーグに参加して他のSchoolと競います。初心者向けと上級者向けの2つのリーグがあり、全てのレベルの人が楽しんでいます。女性も試合に出るので、上級者向けであってもレベルが高すぎることはありません。
主な練習・大会等
サッカークラブでは様々なイベント等を開催していますが、その一部を以下でご紹介します。
~定期練習~
毎週火曜日、金曜日に実施。夏はRice Fields in East Rockという野外練習場、冬は CFC Arenaという屋内練習場にて和やかな雰囲気のなかで行われます。レベルに応じたメンバー分けがなされており、初心者でも安心して参加することができます。
~Harvard Tournament~
3月末にBostonで行われるHBS主催の大会です。2023年はHarvard、Wharton、Columbia、Georgetown、Carnegie Mellon、Bubson、Yaleが参加しました。春の陽気な天気で、学校からも補助が出たのでホテル代・車代はタダで、New England出身の同級生にブルワリーに案内してもらいました。
2024年、優勝しました!
~その他イベント・Tournament~
2023 - 24シーズンには、Harvard tournament以外にも、UCLA tournament(Yaleは不参加)、UT Austin tournament、Columbia tournamentが開催されました。Harvard tournament以外はColumbiaが優勝し、Harvard tournamentではYaleが優勝しました!
実際にプレーするイベントのほかにも、有名なサッカー関係者をゲストスピーカーとして招いてトークイベントを行ったり、教室やバーを貸し切ってUEFA Champions Leagueを観戦したりと、精力的に活動しています。Instagramもあるのでぜひフォローしてください。アカウント
最近では開催されていませんが、過去に開催されたイベントを以下に記します。
毎年Clubのリーダーシップが変わるため、それぞれのリーダーが工夫してチームワークを高めるようがんばっています。
~World Cup~
毎年4月に行われる、SOM内の大会です。参加者は出身国に応じて北米、中米、南米、ヨーロッパ、アフリカ、アジア等にチーム分け(出身国者が多いブラジルなどは単独のチームを持つことも)がなされ、グループリーグおよびトーナメントにより順位を競います。残念ながらアジアチームの下馬評は毎年高くはないのですが、2018年は見事グループリーグを突破、準決勝進出と大健闘を見せました。
~Yale Cup~
毎年10月に行われる、米国のビジネススクール15チーム程度で競われる伝統的なトーナメント形式の大会です。上述のとおり、SOMのチームは2016年には優勝、2017年にはベスト4と、ホームアドバンテージも活かしながら、確実に実績を上げてきています。
Wine Classは、外部の先生を招聘し、ワインについて勉強するクラスです(正式な授業ではなく、クラブ活動のようなもので事前登録制)。ワインについてある程度経験を持ち、理解を深めたい方だけではなく、ワインの種類や飲み方について知りたいという初心者にとっても非常に良いクラスです。
Wine Classの参加者は一つの学期の間、毎週月曜日の夜の二時間をかけて、実際にワインを試飲しつつ、先生の講義を通じて様々なワインについて勉強します。各講義には、ぶどうの種類や原産地によって毎週異なるテーマが設定されており(※)、テーマに沿ったワインを6〜7種類試飲することができます。
一種類のワインにつき小さいワイングラスの半分程度の量が配られるため、一回の授業で合計ボトル半分程度を飲むことになります(飲みきれない場合は残すことも可能)。先生の説明はあくまでも理論的な知識で抽象的なものが多いですが、実際に飲み比べることによって、少しずつ感覚的にもワインの味の違いが分かるようになります。また、毎週クラスの最後には、試飲したワインの価格を当てるイベントがあり、正解者は試飲で残ったワイン(1/4ボトル程度)をもらえます。
クラスではずっと黙って講義を聞くだけでなく、試飲している間に周りの参加者や先生とコミュニケーションを取るなど、和気あいあいとした雰囲気です。それによって、ワインに対する理解を深められることに加え、共通の趣味を通じて友達を作ることもできます。費用は1セメスター8回で400ドル(2023 Spring実績)ですが、友達とシェアすることも可能です。一見高価にも思えますが、日によってはボトル$500を超えるような高級ワインも出てくるため、個人的な満足度は高いです。
※テーマ例:
The Classic Regions: Bordeaux, The West Coast USA, Rock & Rhone, Spain, Portugal, Burgundy, Champagneなど
Beyond the Classic Regions and Other Topics: Tuscany, Piedmont, Aging Wine, Natural Wine, Syrah, Spanish, Australia & New Zealandなど
Entrepreneurship Clubは、4つの軸に沿って活動しています。
具体的には、週に数回、有名な起業家や投資家をYale SOMに招き、プレゼンテーションやパネルディスカッションを開催する他、Yale Entrepreneurial Institute(YEI)とも連携し、ベンチャーの立上げを支援する活動も行っています。新しい視点や最新の情報を得られるだけでなく、起業家たちのモチベーションについて知ったり、多様な専門分野について触れたりすることができます。
起業に関するアイデアについても相談できる他、起業家の事業に協力する機会を得られるケースもあるなど、実利的です。登壇企業は非常に多岐に亘るため、関心のある企業のイベントに参加するだけでも面白いでしょう。
<2014年の登壇企業の例>
Public Speaking Clubは、メンバーがPublic Speakingに関する知識を身に着け、それを実践する機会を提供することを目的として活動しています。頻度は二週間に一回が目安です。内外の講師を招いたセッション(講師による講義に加え、メンバーの一部にスピーチの機会があり、フィードバックをもらえることが多いです)と、クラブリーダーによるワークショップ(できるだけ多くのメンバーがスピーチを行うことを目的としたもので、メンバー同士でフィードバックも行います)が活動の中心となります。
ゲスト・スピーカー・イベントの例
Public Speakingは、米国において死や病気を差し置いて、最も恐れるものに選ばれています。留学中、そして卒業後、様々な場面でスピーチを行う機会があります。また、二人以上の人間が集まれば、そこにはコミュニケーションが発生します。効果的なストーリーの組み立て方・話し方を学ぶことは、非常に有意義なことです。
Public Speaking Clubは、失敗を恐れる必要のない安全な練習の場を提供するもので、初心者から経験者まで、それぞれの目的にあったテーマに参加することで、必要な知識を身に着け、人前でスピーチを行う練習をできます。講義や講師からのフィードバックだけでなく、他のメンバーのスピーチを聞いたり、自ら他のメンバーに対してフィードバックをしたり、多様なバックグラウンドを持つメンバーから自分のスピーチに対するフィードバックを受けたりすることから、スピーチについて多角的に学ぶことができます。
ConsultingやInvestment Bankingに比べると地味なClubではありますが、かけもちをしている学生も多く、Consulting業界のEnergy分野、Investment Banking業界のEnergy分野、といった就職をする学生も多いため、少しでも興味があるのであればおすすめです。
資産運用業界(上場証券投資) への就職を目指す生徒が集まるクラブです。
SOMにはファイナンス関連のクラブが3つあり、以下の通りの棲み分けになっています。弊校はどちらかといえばImpact InvestingやVC/PEの分野が協力なため、MBAプログラムの中でHedge FundやAsset Management会社のポートフォリオマネージャーを希望する方は少ない印象を受けていますが、MMS-AMやMAMなどの他のプログラムの方でこの業界を目指す方も多く所属しています。
また、MBA向けですと、投資関連職だけでなく、財務やマーケティングなどの経営関連職への就職機会も多くありますので、そういった情報共有も行っています。
Professional clubであり就職活動がメインであることや、業界的に個人で就職活動をすることが多い(Investment BankingやConsultingのように、学校全体で就職活動をする機会が少ない)ため、他のClubのような全体イベントは相対的に少ないですが、就職活動のhow to に関するセミナーやストックピッチに関するセミナーなど、機会を見つけてイベントを実施しています。
また、各学校で行われるストックピッチに関する情報収集/共有、及び学校としてのチーム形成の役割を担っており、学校の代表として活動することも多くなってきました。