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Fall termが終わりました

Class of 2024のHKです。

 

早いもので2年目の半分が終了しました。

ブログをご覧になられている受験生の一助になればと思い、これまで私が履修した選択授業についてご紹介します。

 

1. Social Media Analytics (Tauhid Zaman教授)

Pythonを用いてSNSのデータ分析を行うというテーマの授業です。

 

私が履修した時はTwitter(現X)がメインの教材でした。時系列データ分析のような基礎的なものから始まり、Tweetの感情分析やエンゲージメント分析(like、 retweet)、Userのネットワーク・コミュニティ分析など応用的な手法まで幅広く学びます。さらに、Pythonを用いたA/BテストやTwitter botの作成方法まで学ぶことができました。

 

某氏の影響でTwitterに多くの制約がかかったため、次回以降は別のSNS(Telegram)を題材にするらしいです。

また、AIを用いたコンテンツ作成と、作成したコンテンツのテストをたくさん行うとのことで、より面白い内容になっているのではないかと思います。

 

授業の締めは個人またはグループでのプロジェクト発表です。授業で学んだことをもとにTwitterデータを分析するのですが、テーマは自由。アベンジャーズの最新映画を分析したチームもあれば、トルコ出身の学生がトルコ地震をテーマにした真面目なものも。私は当時話題になっていたスシローの迷惑行為について分析し、日本のTwitterの凄さ(?)を教授に伝えることができました。画像は私のプレゼン資料の表紙です。

  

教授は、学部からPhDまでMITの生粋のデータサイエンティストで、本科目の他には、確率論(必修授業)やSports Analyticsの一部講義を担当しています。

2. Entrepreneurship Through Acquisition (A.J. Wasserstein教授)

日本で最近よく見かけるようになったサーチファンドに関する授業で、サーチからエグジットまでの一連の流れをケース中心に学びます。ザ・MBAの授業であり、SOMで最も人気なコースの1つです。オークションに消費したポイントは大きかったのですが、それ以上に価値のある授業でした。

 

何よりもまず教授の熱量が半端ではありません。50人規模のクラスですが、教授が一人一人の顔と名前を一致させているのはもちろんのこと、各人の出身会社や業界まで覚えており、授業で扱うケースに関連する職種や業界出身の人はコールドコールを受けて発言が求められます。その時点で教授と学生の距離がぐっと縮まるのですが、それに加えて、教授の人脈によりケースの題材となった人物がほぼ毎回のようにZoomで参加するなど、授業の構成にも多くの労力を割いていることが窺え、自然と学生のEngagementが高まっていきました。

 

教授自身は複数の起業+エグジット経験があり、投資家としての経験も豊富です。そのため、サーチファンドに関する講義内容もとても説得力がありました。また、毎回の授業の最後は教授の力強い「You can do it!」で締め括られ、会社経営なんて微塵も考えたことがなかった私でさえ危うく洗脳されかけたくらいです。

 

期末試験はなく、サーチファンドの投資市場について分析するレポートが課されます。私は、小さい頃におつかいでよく行ったクリーニング屋さんがふと思い出され、ドライクリーニング市場を分析して提出しました。

 

3. Marketing Strategy(Jiwoong Shin教授)

企業のマーケティング戦略に関する授業です。

主なテーマはResource Based Viewというフレームワークで、任天堂やグッチなどの企業戦略をHBSのケースを中心に学びました。

 

概要としては、会社の企業戦略を検討する際に、自社のリソースをどう定義し、そのリソースをいかに有効活用して顧客需要や規制などの外部環境にフィットさせていくかを学んだものと理解しています。

そのため、マーケティングというよりは経営戦略に関する授業であり、必修授業の1つ(Executiveの代わり)でもよいと思ったくらいです。

 

教授はお話好きなとても面白い方で、教授の人気も高いコースになっています。話が好きすぎて、毎回定刻通りに授業が終わらないのが欠点です。

 

4. YCCI Discovery Project(Ravi Dhar教授、Nathan Novemsky教授、他)

YCCI=Yale Center for Customer Insightの略。プロジェクト紹介ページ

 

このプロジェクトは、実際の企業が抱える課題について行動科学の観点から分析を行い、分析結果をもとにテスト検証を実施、検証結果をもとに顧客へ提案を行うというプロボノプロジェクトになります。協力いただく企業は毎学期異なり、GoogleやIBMなどのIT関連企業や、McdonaldやKellogg、PepsiCoなどの食品関連企業、SnapchatやDoordashなどの新興企業のように多岐に渡ります。

 

私の場合は、Woods Hole Oceanographic Institutionというボストンにある海洋学研究所(non-profit)がパートーナーでした。彼らは寄付や政府の補助を頼りに研究活動を行なっているのですが、少額寄付者からの寄付数が減少しているという課題を抱えており、YCCIが提唱するフレームワークをもとに寄付者にインタビューし、メルマガやホームページを分析して、少額寄付者を増やすための改善策について提案を行いました。提案を行うにあたっては、ランダムなサーベイを利用したA/Bテストを行いその効果を検証するというステップも踏んでおり、企業のマーケティングリサーチさながらのクオリティであると担当教授は自信満々にコメントされていました。

 

求められるワークロードはとても多かったですが、実践をもとにマーケティングのフレームワークが理解できたこと、マーケティングリサーチの一連の流れを身をもって学ぶことができたことは価値があったと思います。私はマーケティングのバックグラウンドがゼロでしたので、必修の授業で学んだことも正直あまり腹落ちしていませんでした。

 

また、我々が提案したことはNudgeのような小さい変化で大きな効果をもたらすことができるため、顧客側も採用しやすいものが大半です。もし、顧客のHPやメルマガで提案事項が採用されれば、目に見える形でMBA生活の足跡を残すことができ嬉しく思います。

 

以上、長くなりましたが選択科目の紹介になります。

もっと詳しく聞いてみたい、他の授業で気になるものがある等ありましたら、お気軽にHPからお問い合わせください。

 

受験生の方はR2に向けて頑張ってください。